「オウンドメディアを立ち上げたのに、なかなか成果が出ない……」
「自社の魅力を伝えきれず、競合との差別化が困難……」
このような悩みを抱えている企業担当者は、多いでしょう。
オウンドメディアは、自社のブランド価値を最大限に引き上げる「ブランディングツール」としても注目されています。
しかし、単に情報発信するだけでは、オウンドメディアのブランディングは成功しません。
ブランディングで必要なのは「顧客に刺さるメッセージ」と「ブランドの一貫性」をどう表現するかです。
そこで本記事では、オウンドメディアを通じて「〇〇社からこの商品を購入したい」と感じてもらえる唯一無二のブランドを築くノウハウを解説します。
さらに、立ち上げ数ヶ月でPV(ページビュー)数を2倍に伸ばした成功事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事の内容
オウンドメディアの運用目的に挙げられるのがブランディング
オウンドメディアは、企業のブランド価値を高める重要な施策として、多くの業界で注目されています。
弊社では、全国のオウンドメディア運用担当者100名を対象に「オウンドメディア運用で実際に感じた効果」を調査しました。その結果、「ブランディングや認知度向上」と回答した方が7割にのぼりました。
さらに同調査では、90%以上の企業が「今後もオウンドメディア運用を継続していきたい」と回答しています。(下図参照)
特に「外部委託を活用してでも運用を続けたい」という企業が56%と半数を超え、継続的な投資の重要性が浮き彫りになっています。
現代の市場では、単に「良い商品を作る」だけでは差別化が難しいもの。そのため、オウンドメディアの運用では、顧客満足度の向上やブランドストーリーの発信など「自社ならではの提供価値」を重視しなければいけません。
このような状況から、多くの企業が、外部の専門家に依頼してでもオウンドメディアのブランディングを重視しています。
オウンドメディアは「顧客から選ばれるブランド」へと成長させる重要な資産として不可欠といえるでしょう。
オウンドメディアでのブランディングとマーケティングの違い
オウンドメディアにおいて、ブランディングとマーケティングは、どちらも企業活動において重要な施策ですが、目的や役割が異なります。
ブランディングとマーケティングは、主に以下の項目で異なります。
項目 | ブランディング | マーケティング |
---|---|---|
目的 | ・企業や商品に対する共通のイメージや価値をユーザーに理解してもらう ・顧客ロイヤリティや競合他社との差別化を目指す |
・消費者ニーズを把握し、商品やサービスを販売する仕組みを構築する ・売上や利益の拡大を目指す |
役割 | ターゲット層に「自社が何者かを伝え、価値を理解してもらう」 | ターゲットに「自社商品をどう届けるか」の手法に目を向ける |
戦略プロセス | 1. ステークホルダーが持つ現在のブランドイメージを把握 2. 外部環境(競合・市場)と内部環境を分析 3. 自社のブランドコンセプトを決定 4. コンセプトに基づき、コピーやデザインを制作し、訴求方法を決定 |
1. 顧客ニーズや競合状況、内部環境を分析 2. ターゲット層にどのような価値を提供するかを決定 3. 購買・成約に向けた集客施策を立案 |
成果検証 | 認知度、ブランド好感度、顧客ロイヤリティなど長期的な成果を重視 | 売上、利益、集客数、広告費用対効果など定量的なデータ分析を実施 |
ブランディングの役割は、企業や商品が「どのような存在で、誰に届けるべきか」を決めるものです。企業が、市場においてどのような価値を提供するか、顧客にどのように認識されたいかを明確にする必要があります。
一方、マーケティングはブランディングで決めた方向性に沿って、商品やサービスをどう市場に打ち出すかを考える施策です。
オウンドメディアでブランディングする8つのメリット
オウンドメディアでブランディングすることで、主に8つのメリットがあります。
- 競合他社と差別化できる
- 見込み顧客にアプローチできる
- 顧客ロイヤルティが向上する
- 価格競争に左右されなくなる
- 信頼性を担保できる
- ブランドの一貫性を維持できる
- 採用活動にも役立つ
- SNSを通じて自社を広めてもらえる
競合他社と差別化できる
まず、競合他社と差別化が可能な点です。
オウンドメディアは、自社の強みやブランドの世界観を伝える最適なプラットフォームです。仮に、競合他社と類似した商品・サービスを提供していても、独自の視点やストーリーを盛り込んだコンテンツによって、ブランドの個性をアピールできるでしょう。
たとえば、オーガニックコスメブランドの場合、商品の原材料の生産背景や開発秘話を動画やテキストで発信することで、他社とは異なる価値観を伝えられます。
単に価格や機能に頼るのではなく、ブランドの理念やビジョンを伝えることで、競合他社との差別化が図れるでしょう。
見込み顧客にアプローチできる
オウンドメディアは、特定の関心や悩みを抱えた見込み顧客にリーチする手段として有効です。
たとえば、健康食品を販売する企業が、食事改善や健康維持に関する記事を提供すれば、その記事を読んだ人から自然な形で自社サービスに興味を持ってくれるでしょう。
このように、悩みを解決する情報を発信することで、商品やサービスへの興味を自然に引き出します。
顧客ロイヤルティが向上する
継続的に有益な情報を発信することで、顧客との信頼関係を深め、ブランドへのロイヤルティ(企業や商品・サービスへの愛着度)向上につながります。
たとえば、カフェ経営者がお店のブログでコーヒー豆の選び方や家庭での淹れ方を定期的に発信すれば、リピーターの増加が期待できます。
顧客が「このお店は自分の興味を理解している」「参考になるし面白い」と感じることで、愛着心が育つでしょう。
価格競争に左右されなくなる
「たとえ他より高くても、買う価値がある」そのような印象付けが可能な点も、オウンドメディアブランディングの魅力でしょう。
ブランドの理念や世界観を伝えることで、顧客は単に「価格」ではなく、そのブランドが提供する独自の価値に魅力を感じるようになります。
たとえば、エシカルファッションブランドは、ファストファッションよりも値が張る傾向があります。
そこでエシカル商品の背景にあるサステナビリティへの取り組みや、生産者のストーリーを発信すれば、顧客は価格よりも「ブランドへの価値」に共感しやすくなるでしょう。
こうした価値への共感は、他のブランドが低価格で似た商品を提供したとしても、顧客が簡単に離れない理由になり得ます。
信頼性を担保できる
顧客からの信頼性を強調したいときに、オウンドメディアのブランディングは役立ちます。
オウンドメディアは、専門的な知識やノウハウ、業界の最新情報を自由に提供できる場です。
たとえば化粧品メーカーが、成分や使用方法に関する詳しい記事を公開すれば、顧客は「このブランドは根拠に基づいて商品を提供している」と感じるでしょう。
さらに、ブログや動画で顧客の疑問に答えるコンテンツを発信すれば、双方向のコミュニケーションが生まれ、顧客との信頼関係が深まります。
こうした信頼は、口コミを通じて他の見込み顧客にも広がり、ブランドの信用力をより強固なものにするでしょう。
ブランドの一貫性を維持できる
オウンドメディアブランディングは、ブランドの一貫性を維持する役割も果たします。
オウンドメディアを軸に、SNSやメールマガジンで同じテーマを中心に発信し、言葉遣いやデザインを統一することで、顧客はブランドの世界観に一貫性を感じるでしょう。
たとえばエコ志向の企業が、メディアで環境保護への取り組みを訴えかけ、同じ内容をSNSでもシェアすることで、ブランドのメッセージに統一感が生まれます。
こうした一貫性の維持により、顧客が「このブランドは何を大切にしているか」を理解しやすくなります。長期的なロイヤルティ向上にもつながるでしょう。
採用活動にも役立つ
オウンドメディアブランディングは、採用活動にも役立ちます。
企業が、自社の理念や文化、社員の声を発信することで、求職者に自社への愛着心や共感を与えられます。
たとえば、自社の社会貢献への活動を共有することで、それに共感した求職者は「自分もこの企業の一員になりたい」と感じやすくなるでしょう。
売り手市場の中、採用活動が思うように進まず悩む企業担当者は多いはずです。
こうした状況で、オウンドメディアを通じて「自社だからこそ得られるもの」を提供することで、その価値に共鳴する人材を引き寄せられます。ぜひ、自社の強みや価値を言語化してみてください。
なお、オウンドメディアリクルーティングの詳しい方法は、こちらの記事でも解説しています。あわせて参考にしてください。

SNSを通じて自社を広めてもらえる
オウンドメディアのコンテンツは、SNSでシェアされることでより多くの人々に届きます。
たとえば、インパクトのあるストーリーや役立つ情報を発信すれば、フォロワーが自主的に拡散し、ブランドの認知を広めてくれるでしょう。
特にSNSでは「共感を生む投稿」や「自分ごと化できるコンテンツ」がシェアされる傾向があります。広告と違って「押し付けがましさ」を感じさせないので、自然な形で多くのユーザーにリーチできるでしょう。
オウンドメディアでブランディングする6つの施策
オウンドメディアを通じたブランディングでは、企業の強みや価値観を一貫して発信し、顧客との信頼関係を築くことが重要です。
具体的な施策は、以下の6つです。
- 自社の商品・サービスの魅力を明確にする
- ターゲットを再度設定する
- ターゲットにとって有益な記事コンテンツを制作する
- 顧客目線のブランドストーリーを設定する
- 動画コンテンツ効率よく活用する
- 機能性を配慮したサイト設計にする
自社の商品・サービスの魅力を明確にする
最初に重要なのは「自社の商品・サービスの強みを明確にすること」です。
自社にとって当たり前の強みでも、顧客にとっては新鮮に映ることがあります。
自社を客観視するために、競合との比較や、SNSや商品口コミによるユーザー評価を調査してもいいでしょう。
将来的にオウンドメディア運用を外部委託する場合でも、強みを言語化しておけば一貫性のあるコンテンツを発信できるようになります。
ターゲットを再度設定する
ブランドが掲げるメッセージや価値観を顧客に正しく届けるには、ターゲットの理解を深め、再調整する必要があります。
顧客の価値観や期待は、時代とともに変化するものです。たとえば、以前は「価格重視」だった顧客が、現在は「持続可能性」や「社会貢献」に興味を抱いているかもしれません。
ブランドがこうした変化に対応できるよう、ターゲット層の関心を常に把握し、コンテンツに反映させることが重要です。
また、エゴサーチやSNSを通じて、顧客が社会に何を求めているかを探ることも効果的です。こうした情報をコンテンツに取り込むことで、プロモーションに終わらない「顧客とともに成長するブランド」としての姿勢を打ち出せます。
ターゲットを調整することで、強固なファンコミュニティの形成にもつながるでしょう。
ターゲットにとって有益な記事コンテンツを制作する
ターゲットにとって、有益な記事コンテンツであるかも意識してください。
有益な記事とは、ターゲットの生活やビジネスにおける悩みや疑問を解決する具体的な情報を含むコンテンツです。
また「いつか役立つ情報」ではなく「今すぐ知りたい有益な情報」を発信すると効果的です。たとえば、スキンケアブランドであれば、次のようなコンテンツがおすすめです。
- 「おでこにニキビができた!今すぐできる応急処置とNGケア」
- 「日焼けしてしまった!肌を守る48時間以内のアフターケア法」
上記は、緊急で解決したいと思うターゲットのニーズに応えています。
こうした有益情報を制作し続けることで、ターゲットは「このブランドは自分のことを理解してくれている」と感じ、愛着心や信頼感を持たれるでしょう。
オウンドメディアの記事コンテンツについては、こちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

顧客目線のブランドストーリーを設定する
オウンドメディアでのブランディングを進めるためには、顧客目線に立ったブランドストーリーの設定が欠かせません。
たとえば、これまでブランドが挑戦したことや改善してきた点、成長の過程をオープンに共有するのも効果的です。「初期の失敗から学び、今の商品が生まれた」というエピソードを伝えると、企業の誠実さと努力を顧客に印象づけられます。
こうした共感型のストーリーは、顧客同士のつながりも促進するでしょう。
このように、企業視点の一方的な発信ではなく、顧客の共感を得るストーリーを発信することで、長期的なファン獲得につなげられます。
動画コンテンツ効率よく活用する
オウンドメディアでは、動画コンテンツも効率的に活用しましょう。
映像は、音楽や色彩、動きなど、ブランドの世界観を鮮明に表現する最適な手段です。
たとえば、IT企業が「革新と未来への挑戦」をテーマに掲げる場合。最先端の技術を活用したプロジェクトの裏側やエンジニアの姿を映像で紹介すれば、その価値観を直感的に伝えられます。
こうした映像により、ブランドのイノベーション精神が一貫して伝わり、顧客やパートナーとの信頼関係が深まります。
オウンドメディアで映像を活用するコツについては、こちらの記事をご覧ください。

機能性を配慮したサイト設計にする
オウンドメディアは、ユーザーの使いやすさを考慮した機能性の高い設計にしましょう。
たとえば、子ども向けの学習サイトであれば、色鮮やかなアイコンや簡単な操作方法を導入するのがおすすめです。ビジネス層をターゲットとする場合、情報への素早いアクセスが重視され、検索機能や整理されたメニューが欠かせません。
また、幅広いユーザー層に対応するために、文字サイズの変更機能やレスポンシブデザインを導入し、どのデバイスでも最適な表示ができると親切です。
特に、スマートフォンでの閲覧が増えているため、モバイルファーストの設計も欠かせません。さらに、パンくずリストや高速なページ読み込みによって、ユーザーがストレスなく目的の情報にたどり着ける環境を整えることが重要です。
こうした機能性の向上は、ユーザーの満足度を高め、ブランドへの信頼感とリピーターの獲得につながるでしょう。
オウンドメディアでブランディングする際の注意点
オウンドメディアは、自社のブランドを顧客に直接伝える重要な手段です。しかし、その効果を最大限に発揮するためには、以下の2点に注意してください。
- 低品質なコンテンツはブランド毀損につながる
- コンテンツに一貫性を持たせる
低品質なコンテンツはブランド毀損につながる
コンテンツの質は、ブランドの印象に大きな影響を与えます。
低品質なコンテンツや誤った情報が含まれていると、そのブランドが提供する商品やサービスの信用も失ってしまいます。不正確な情報が続くと、顧客離れやブランドのイメージダウンにもなりかねません。
そのため、オウンドメディアを運用する際は、専門スキルと適性を備えた人材を選定してください。
コンテンツに一貫性を持たせる
コンテンツの一貫性も意識しましょう。
一貫性のないコンテンツは、ユーザーの記憶に残りにくく、ブランドイメージが定着しません。
仮に、ブランドのロゴやテーマが同じでも、メッセージやトーンが異なるとユーザーは混乱し、他ブランドとの差別化が不明瞭になります。
特にSNSやメルマガなど、複数のチャネルで発信する場合は、メッセージやトーンの統一に一層配慮してください。
オウンドメディアでブランディングを成功事例3選
オウンドメディアでブランディングを成功させた事例を、3社紹介します。
- 株式会社CREXiA
- 株式会社Hajimari
- 株式会社建設みらい総研
株式会社CREXiA
株式会社CREXiAは、広告代理業を展開する企業です。マーケティング戦略としてオウンドメディアの立ち上げを決定し、SEOを活用したリード獲得と新規顧客との接点を増やすことを目的にプロジェクトがスタートしました。
施策としては、SEOを駆使した戦略的なキーワード選定と内部施策を強化。さらに、被リンク施策に取り組むことで、半年間で3,000UUを達成し、安定したリード獲得を実現しました。
この事例は、新規ドメインにおけるオウンドメディアブランディングの好例といえるでしょう。
株式会社Hajimari
株式会社Hajimariは、IT起業家・フリーランスを支援する自社サービスの認知拡大と登録者増加を目指し、オウンドメディアのブランディングを成功させています。
もともとメディア運用はしていたものの、担当者不在のため運営が停滞していたことから、SEO集客の改善を目的に、専門家にサポートを依頼しました。
施策として、まず既存記事のSEO最適化を実施。タイトルや見出しの改善、効果の薄い記事のnoindex化、検索順位が高い記事のリライトを進めました。
その結果、初月でPVが約2倍に増加し、CV(コンバージョン)数は半年で2.1倍に向上。新規記事の追加と既存資産の活用を組み合わせた運営で、右肩上がりの成果を達成しました。
株式会社建設みらい総研
株式会社建設みらい総研は、BtoB向けの顧客獲得を目的としてオウンドメディアを立ち上げ、ブランディングにつながっています。
プロジェクトでは、競合や関連キーワードの徹底調査を実施し、CVを意識した導線設計を立案。さらに、WordPressによるサイト構築と、効果の高いキーワードの優先順位付けを実施しました。
その結果、メディア運営開始から3ヶ月で1万PVを突破し、会社名検索でも1位に表示。戦略的な設計と運営体制の構築が、オウンドメディア運用のカギとなった成功事例です。
オウンドメディアでのブランディングならand media
会社名 | and media株式会社 |
---|---|
設立 | 2019年4月15日 |
所在地 | 〒151-0062 東京都渋谷区元代々木町27-14 |
電話番号 | 03-4500-9407 |
URL | https://andmedia.co.jp/ |
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CV獲得のための最適解を日々研究しており、SEOやリード獲得を実現するキーワード選定やサイト設計に強みがあります。見込み顧客の獲得を目的として、必要な施策や対策を提案いたします。
当社では、オウンドメディア立ち上げの企画案からSEOの最適化、運用のコツまで支援するので、ぜひご相談ください。
まとめ:オウンドメディアのブランディングで競合との差別化を図ろう
競合がひしめく中で、オウンドメディアを成功させるには、ブランディングを通じた差別化が欠かせません。
一般的な情報を発信するだけでは埋もれてしまうため、独自性を打ち出し、ターゲットに選ばれるメディアを構築しましょう。
ユーザーファーストの視点に立ち、ターゲットに共感される「価値」を提供し続けてください。
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