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不動産業界の転職事情は?
不動産業といってもかなり広い!
一口に不動産業といってもその範囲はかなり広く、会社によって取り扱う事業の幅や特徴が大きく異なります。
ここでは企業規模に応じた特徴、続いて不動産業はどのような事業内容があるのかについて紹介していきます。
まずは大企業についてです。不動産業界の中でも就職や転職で人気のある大企業ですが、手掛ける仕事も会社規模に応じて大きい傾向があります。
例えば、都心のオフィスビルや商業施設、ホテルなどを取り扱っていたり、都市開発やオリンピックに関するプロジェクトといったスケールの大きな仕事もあります。
もちろん仕事の全てがそのような大きいものばかりというわけではなく、一個人を相手にする町の不動産会社のような場合もあります。なお、大企業の場合は福利厚生が充実している一方で全国転勤が前提となっている場合も多いです。
続いて町の小規模の不動産会社ですが、基本的には個人や町単位の会社を相手に仕事を行っています。地域密着型で営業をしており、地元の会社とのつながりが強いです。
福利厚生はまちまちですが地元から深く愛されている業績も良い会社だとかなり給与が高いこともあります。ただ、小規模ゆえに社長のワンマン経営の場合もあります。
不動産業の事業としては建設、販売、賃貸といったものがあります。建設の仕事は建物はもちろん、土地開発や水路の工事なども行うことがあります。建物建設に関する深い知識が必要で、また職人たちとのやり取りも多いです。販売の仕事は主に自社で持っている不動作を販売したり、不動産を売りたい人と買いたい人の仲介をしたりします。
扱う金額が大きい分、成功したときの顧客と自身の喜びも大きくなります。賃貸は不動産を貸したい人と借りたい人の仲介を行います。町の不動産屋はこの業容が多いです。
基本的にはどの事業でも人と人との間に立って仕事を進めるため、共通してコミュニケーションスキルが非常に重要となっており、また専門知識や資格の取得が必要な場合が多いといえます。
不動産業界の募集職種
続いて、不動産業界における求人の募集職種をいくつか紹介していきます。
まずは販売営業の仕事です。主に自社やグループ会社で所有する戸建て住宅や分譲マンションを個人に販売する仕事です。住宅展示場やモデルルームに来場した顧客に対応することが中心です。
取り扱う金額が大きいため、営業成功の難易度は高いですがその分成功した際の達成度は高くなります。個人個人に目標が紐づくことが多く、成果が給与に反映されやすいため、成果を出せば若くとも高収入を目指せます。
続いて賃貸営業です。主な業務としては店舗に来た顧客に対して自社が仲介できる賃貸物件を紹介する仕事です。希望条件をヒアリングし、条件に合った物件の提案、内見、契約処理などを行います。店舗ごとに目標設定されることが多いといえます。
販売営業と賃貸営業で共通して必要なスキルとしては顧客のニーズを把握し、またライフスタイルに寄り添ういながら自社の商品を提案することです。また、それにはコミュニケーション能力も必須です。
なお、顧客から信頼される説明をするには、宅地建物取引士や管理業務主任者、不動産鑑定士、ファイナンシャルプランナーといった資格を取得していることが望ましいです。
続いて不動産業界の事務についてです。
不動産業界の事務は営業担当がより効率的に営業できるようにサポートしたり、各種のデータ整理、問い合わせ対応などを行っています。
来客する顧客が見やすいように店内を装飾したり、チラシの作成、メルマガの送信などをおこなう場合も多いでしょう。パソコン作業が多いため、ワードやエクセルなどの基本的な操作は必要です。
続いて、用地仕入れという仕事がについてです。不動産会社が販売するための土地を仕入れる仕事で、仕入れた土地に建築していきます。自社の物件が売れるかどうかにも関わる重要な仕事で、その分やりがいもあるでしょう。不動産や建築の知識があれば便利ですが、無くても仕事をしながら身につけていけます。
他には不動産のオーナーなどからの依頼で物件を管理する仕事などがあります。不動産業はコロナによる影響も飲食や宿泊業などと比較すると少なく、採用ニーズ低くはない状況です。他業界と比べると比較的転職しやすい状況といえるでしょう。
不動産業界のメリット・デメリット
続いて不動産業界の特徴を挙げた上でメリットとデメリットを紹介していきます。
不動産業界は景気に左右されやすいという特徴を持ちます。バブル時期に代表されるように景気が上がると不動産の相場も上昇し、業界自体も活性化されて会社としての利益も上がっていきます。
次に特定の時期が特に忙しい面があります。一般的には入学や入社、異動の中心である4月の前の2月や3月が繁忙期であり、その時期は残業も増える会社が多くなります。
また、一長一短ありますが個人を相手にする場合は土日が休みでなかったり、顧客の都合に合わせて夕方以降でも接客対応をしなければならないこともあるでしょう。
業界全体の雰囲気としては特に住宅や土地の販売会社では目標が大きくそれに向かっていくところから、体育会系の職場が多いといわれています。
不動産業界で働く上でのメリットとして、第一にやりがいの大きさが挙げられます。自分が関わった案件が地図に残ると仕事に誇りを持てますし、個人の顧客に対してもその人の人生に大きな影響を与えます。
顧客の為に頑張り寄り添った結果、その顧客から満足してもらえたら大きな満足感を得ることができるでしょう。
また、不動産業界は比較的若くても成果が出せたり、成果を出すと責任のある仕事を任せてもらえる傾向があります。頑張った分がそのまま給料に直結するのは嬉しいですし、またやりがいにも繋がるでしょう。
一方デメリットとしては周囲の環境に左右されることが多いことが挙げられます。
例えば景気のいい時は会社も上向きですが、不景気ではそうはいきません。また、少子高齢化が進んでいくと、どうしても住宅関連の需要は少なくなってしまいます。
また、若くして成果を挙げるチャンスはありますが、逆の意味では若いからといって甘えはあまり許されず、場合によっては金額規模が大きい仕事を任されてプレッシャーを感じることもあるかもしれません。
未経験から不動産業界への転職を目指す場合
やりがいや収入の面で魅力的な不動産業界ですが、未経験者からの転職は可能なのでしょうか。結論としては、職種によって大きく状況は異なります。
大規模開発を担当する、いわゆるデベロッパーや土地や住宅を販売する不動産販売の仕事は未経験からの転職はかなり厳しいといえます。
一方で売買や賃貸を仲介する不動産仲介会社については不動産業界の経験が無くても十分転職を狙えます。
また、建物管理を代行している管理会社への転職は未経験者は厳しい場合もあれば、意外と採用している会社もあります。
未経験者が不動産業界に転職するにあたって、募集があるからといってどんな人でも採用されるかといえばそうではありません。
年齢的にはやはり若い方がこれから会社の中で育っていける将来性が加味され有利です。40代以降の未経験は他の業界と同じく、簡単にはいかないでしょう。
また、未経験とはいえ今までの会社での経験や、自分が持っている性格的な面も採用されるかどうかに大きく関わってきます。
まず最も重要といえるのがコミュニケーション能力です。例えば不動産仲介会社においては、顧客の希望と物件保有者の条件を照らし合わせ、顧客とコミュニケーションを取りながら勧めていくことが重要です。
社内外で関係する人も多いため、人と接するのが得意な人は採用に有利といえます。また、売買でも賃貸でも、多くの場合個人または店舗に対して目標が設定されます。
目標に対して計画的に対応できたり、目標達成に向けて意欲的に取り組むことができる人は採用されやすいです。
目標に対してという意味では、忍耐力ややる気も重要です。過去の仕事で根気強く取り組み、成果につなげた経験がある人はアピールすると良いでしょう。
なお、会社にもよりますが男性が全体として多い傾向があり、おとなしい人よりはハキハキとした体育会系の人の方が好印象を持たれる場合があります。
不動産業界で身につくキャリア・スキルとは?
色々な職種がある不動産業界ですが、働くことでどのようなキャリア・スキルが身に付くのでしょうか。
まずは営業の場合、高い営業能力とコミュニケーション能力を身につけることができます。
不動産営業は直接だったり電話だったりで顧客と話す機会が非常に多いです。はじめは話すのが苦手だったとしても次第に仕事の中で能力が磨かれ、言葉もスムーズに出てくるようになるでしょう。
この能力は向き不向きはあるにせよ、ある程度働けば自然に身に付くことも多く、そしてこの能力が高まれば成果に繋がり、収入アップや昇進の可能性も高まります。
反対にいつまでたってもコミュニケーションが苦手なままだと、少なくとも不動産営業は厳しいでしょう。
続いて、不動産業界で働くと住宅契約や土地売買に関する知識をつけることができます。
専門性が高いのでそれなりの努力は必要ですが、その分会社にとっては貴重な戦力として評価されることでしょう。
不動産業界は営業以外の職種もありますので、豊富な知識は会社から重宝され、評価にも繋がりやすいです。また、宅地建物取引士をはじめとする各種資格の取得も見込めます。
資格は会社から命じられることもありますが、特にこの宅地建物取引士は不動産業者は各事業所に5人に1人以上設置しなければならないため、必須ともいえる資格です。
会社によっては宅地建物取引士の資格取得を推奨していたり、資格手当がついたり、昇進の条件になっていることもあります。
逆に言えば、会社から宅地建物取引士を取得するように指示されたにもかかわらず中々取得できないと評価が下がり、いつまでも出世できなかったり大事な仕事を任されないといったリスクがあります。
他には不動産業界の営業や各種の資料作成により地理に詳しくなることがあります。地名を言われてすぐイメージできたり、不動産の相場を知っていれば、顧客との会話がスムーズにいったりすることがあります。
不動産業界への転職活動のポイント
不動産業界へ転職するには、大きく分けて自分で求人票や求人サイトを見て応募する方法と、転職エージェントを活用する方法の2種類があります。それぞれみていきましょう。
まず自分で求人票や求人サイトを見て応募する方法のメリットですが、自分の好きなタイミングで自由に転職先を探せることが挙げられます。
転職エージェントを利用していると、時には連絡を受けて煩わしいと思うこともあるかもしれませんが、自分で探す分にはマイペースに行えます。
他には、多種多様な求人が多く掲載されているため、例えば元々興味が無かった業界に対してなどへの選択肢が広がることがあります。
一方デメリットとしては情報収集をはじめとして求人への応募や面接日の調整、入社条件の交渉などを全て自分で行うのが大変ということや、条件が良い求人であればあるほど競合して自分に返事が返ってこないことが多くなるなどが挙げられます。
一方の転職エージェントを活用するメリットですが、第一に効率的に転職活動を進められることが挙げられます。
プロのエージェントが自分に合った会社を随時紹介してくれますし、様々な交渉も代行で行われます。また、一般的には公開していない非公開求人を紹介してもらえることがある点も大きなメリットです。
面接や履歴書の指導をしてもらえたり、カウンセリングにより自分では気づけなかった新たな発見がある場合もあります。
デメリットとしては、担当のキャリアアドバイザーが自分と合わない場合は思うように進まない場合もありえます。
とはいえ、合わなければキャリアアドバイザーを別の人に変えてもらうなどの対応は大体の場合可能なので、基本的には転職エージェントを活用する方法をお勧めします。
最後に不動産業界への転職時期ですが、会社にもよりますが4月~11月をお勧めします。
中でも夏のボーナスを貰うのであれば8月~11月がよいでしょう。
理由としては、不動産業界の繁忙期である1月~3月と年末は不動産会社としても忙しくて採用を行う余裕があまりなく、求人も少なくなりがちなためです。