WEBマーケティングに関わる業務を担当されている方であれば、「ロングテールキーワード」、「ロングテールSEO」という言葉を知っている方も多いと思います。
SEO対策に取り組むにあたっては、この「ロングテールSEO」の考え方を正しく理解し、実践していくことが非常に重要になります。
本記事では、ロングテールSEOが重要な理由から、キーワードの選定方法、実践するうえでの注意点まで解説します。
この記事の内容
ロングテールSEOとは?
ロングテールSEOとは、”ロングテールキーワード”と呼ばれるニッチなキーワードを軸に、WEBサイトへの流入向上を狙うSEO施策を指します。
ロングテールキーワードとは?
ロングテールキーワードとは、2つ以上の複数のキーワードをかけ合わせて検索されるキーワードのこと(複合キーワードとも呼ばれます)。月間検索ボリュームが1000回未満程度と、他のキーワードと比較して検索回数が少ないものを指すことが多いです。
ロングテールキーワードと対比される概念として、ビッグキーワード、ミドルキーワードがあります。ロングテールキーワードと比べてビッグキーワードは1万回以上、ミドルキーワードは1000〜1万回と月間検索ボリュームが大きく、各社が狙っているため競争率の高いキーワードとなります。
キーワードの種類 | 検索ボリューム(目安) | キーワードの例 |
ロングテールキーワード | 1000回未満/月 | ・SEO対策 おすすめ 会社
・ビジネスホテル 仙台 駅前 |
ミドルキーワード | 1000〜1万回/月 | ・SEO対策 やり方
・ビジネスホテル 安い |
ビッグキーワード | 1万回以上/月 | ・SEO対策
・ビジネスホテル |
ロングテールとは直訳すれば「長い尻尾」という意味になりますが、もとはECサイトの販売戦略における『ロングテール理論』を由来としています。
インターネットが普及する以前は、「全体のうち2割の主力商品が売上の80%を占める」という『パレートの法則』が常識とされていました。その後ECサイトが台頭してくると、企業は倉庫在庫を含むすべての商品をネット上で取り扱えるようになり、「人気上位圏外の商品の売上が全体の8割を占める」というパレートの法則とは逆の現象が成り立つようになりました。
このロングテール理論の概念をSEO戦略に当てはめたのがロングテールSEOという考え方です。
弊社およびクライアント様の事例をみても、WEBサイトの流入においてはロングテールキーワードからのアクセスが全体の80%超を占めるケースが多いです。ロングテールキーワードはひとつひとつのボリュームは小さくても、積み重ねればアクセスへの効果は絶大なものとなります。そのため「検索ボリュームが多いから」、「人気のキーワードだから」という理由でビッグキーワードに固執するのではなく、ロングテールキーワードを幅広く攻略していくことが重要になるのです。
ロングテールキーワードでSEO対策を行うメリット
それではロングテールSEOでロングテールキーワードを攻略していく具体的なメリットについて見ていきましょう。
競合が少ないため上位表示を狙いやすい
ロングテールキーワードは、ビッグ・ミドルキーワードと比べて競合が少ないため、比較的上位表示をとりやすいと言えます。
先にキーワードの例をお見せしましたが、例えば「SEO対策」という単体のキーワードであれば月間検索ボリュームが2万回を超えています。上位表示できれば相応のアクセスを見込めますが、その分狙っているライバルも増えるため難易度は格段に上がります。特に、メディアの立ち上げ期でまだまだ評価が積み重なっていないサイトであれば、いきなりビッグキーワードを狙っていくことは困難です。
ゆくゆくビッグキーワードで上位をとっていくためにも、まずは競合の少ないロングテールキーワードでこつこつとアクセスを集め、Googleからの評価を積み上げていくことが有効です。
ユーザーの検索意図を読み取り、ニーズに合わせたコンテンツを作成できる
ロングテールキーワードは複数のキーワードをかけ合わせたものと説明しましたが、その中からはユーザーのニーズ(検索意図)を読み取ることができます。
ビッグキーワードのような単体のキーワードだけで、実際にユーザーが何を知りたいのかを掘り下げるのは難しいですよね。
たとえば「SEO対策」、「SEO対策 おすすめ 会社」というキーワードで考えてみましょう。
「SEO対策」だけでは範囲が広く、何について、誰に向けて、どこまで書けばいいのか判断が難しいです。しかし「SEO対策 おすすめ 会社」であれば、SEO対策の話の中でも「マーケティング担当者がおすすめの会社を探しているんだな」とユーザーのニーズを読み解き、特化した内容でコンテンツを作り込むことができます。
このようにロングテールキーワードを上手く活用することで、それぞれの検索意図に合わせてニーズマッチした豊富なコンテンツを用意することが可能になるのです。
コンバージョン率の強化を図れる
ユーザーのニーズに合わせたコンテンツを作成することで、ネクストアクションとしてコンバージョンポイントを設け、CVR(コンバージョン率、Conversion Rate)の強化を図ることも容易となります。
別の記事や商品・サービス紹介など、記事の内容に関連するコンバージョンポイントを設けることで、サイト内を回遊してもらったり、商品・サービスの購入へ繋げることができるのです。
このようにロングテールSEOは、単に流入数を稼ぐだけでなく、流入後の回遊強化、ひいては売上貢献にも有効な施策です。
ディレクトリ構造を組むことで評価を受け渡し、長期的にカテゴリ全体、サイト全体に好影響をもたらす
ゆくゆくは人気のビッグ・ミドルキーワードで上位表示をとっていきたい、という際にも、ロングテールキーワードの評価の積み重ねはとても重要になります。
上図はサイトのディレクトリ構造を示した図ですが、Googleのクローラーがサイトの評価を行う際は以下のような流れになります。
- 作成された個別のページにクローラーが訪問し、評価を行う
- 良質な記事ページであると評価し、ディレクトリ構造に沿ってサイト内を回遊し別のページの評価も行う
- カテゴリ、サイト全体の評価も上がる
このようにロングテールキーワードで評価の高いページを量産し、適切な構造を組んでクローラーに回遊してもらうことで、サイト全体の評価も上がっていくのです。サイト全体の評価が上がれば、ビッグ・ミドルキーワードでの上位表示の難易度も下がっていきます。
アルゴリズムアップデートの際のサイト全体への影響が少ない
Googleは定期的に検索アルゴリズムのアップデートを実施しています。その際に、ビッグキーワードなどで特定、少数のページのみに集客を依存していると、アップデートの際に受ける影響が大きくなりやすいです。
ロングテールキーワードでページ単位で対策を行っていくことで、単一のページに集客を依存せず、リスク分散を行うことができます。
ロングテールキーワードの選び方
では、実際にどのようにロングテールキーワードを選べばいいのか、具体的な選定の手順についてみていきましょう。
ロングテールキーワードに限った話ではなくキーワード選定全般に言えることですが、選定の大まかな流れは以下のようになります。
- サイトのテーマに沿った単体のキーワードを探す
- ペルソナを決めておく
- 検索意図を想定する
- 実際に単体キーワードを調べてみる
- 関連キーワードを調べる
- キーワードの候補を絞る
- 検索ボリューム・競合性をチェック
キーワードのボリュームや難易度だけではなく、自社のサイトに合ったキーワードであるか、ユーザーが求めているコンテンツを作れるようなキーワードか、といった観点が重要になります。
具体的な手順については以下の記事でより詳しく解説していますので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。
SEOキーワード選定のやり方を7STEPで解説!キーワード選定のコツやツールは?
ロングテールSEO固有の注意点や使用ツールについては次項以降で解説していきます。
ロングテールSEOを実践するうえでの注意点
ここからは、ロングテールSEOの戦略を実践していくうえでの注意点についてお話しします。
全体設計が肝である
マーケティング戦略全般に言えることではありますが、全体設計をしっかり行い計画的に実行していくことが重要です。
競合が少ないから、書きやすそうなキーワードだからとむやみに量産するのではなく、サイト、ひいては企業の目標達成のためにどのような順序でキーワードを攻略していくべきかを考え、戦略に則って施策を進めていくことで、途中で挫折することも少なくなります。
SEO対策の全体的な考え方については以下の記事でも詳説していますのでぜひ参考にしてください。
BtoBのSEO対策完全版!初心者がSEO集客を成功させる7つのポイントとは?
コンテンツの重複を避ける
ロングテールキーワードは、似たような検索意図のキーワードが出現しやすいため注意が必要です。
コンテンツの内容がページ間で重複してしまうと、クローラーに重複コンテンツとして認識され評価が分散してしまい、結果として全体の評価を下げることに繋がる可能性があります。
キーワードに使用されている単語自体は違っても、検索意図は似たようなものでないかしっかりチェックし、似たような検索意図のキーワードはまとめてひとつの記事にするなどして対策していく必要があります。
ページを作成した後はしっかり管理・効果測定を行う
ロングテールSEOの施策をすすめていくと、作成するページが膨大になることが想定されます。
そのため、ページの管理や効果計測は漏れなく行うこと。思うように成果が出ない場合に原因を早期に発見して改善に繋げることができますし、先に解説した重複コンテンツの回避にも繋がります。
ロングテールキーワードを調査するためのツール
最後に、ロングテールキーワードの選定に活用したいキーワード調査ツールをいくつかご紹介します。
Googleのサジェスト機能や関連キーワードを使う
こちらはツールではありませんが、Googleのサジェスト機能や関連キーワードの機能を活用して、手軽にロングテールキーワードを探すことが可能です。皆さんも実際に検索を行う際に日々目にしていることでしょう。
サジェストとは、検索欄にキーワードを打ち込んだ際に表示されるキーワードの候補一覧を指します。関連キーワードは検索画面下部に表示されるキーワード群です。
ツールを導入する予算がない、まだそこまで本格的に施策に取り組む段階ではない、という場合でも、実際に検索してみながら気軽にロングテールキーワードを探すことが可能です。
無料・有料ツールを利用する
本格的に施策に取り組む場合は、専門ツールの利用をおすすめします。検索ボリュームやCPC(広告クリック単価)、関連キーワードや競合サイトの情報を調べることができます。無料・有料と幅広くツールが存在しますが、今回はいくつかピックアップしてご紹介します。
キーワードプランナー
キーワードプランナーはGoogle広告の機能の一部で、関連キーワードの一覧や検索ボリューム、クリック単価などが調べられる、ビジネス向きなツールとなっています。
Googleアカウントさえ持っていれば、誰でも無料で使用することができます。
Googleトレンド
Googleトレンドは、世界中でトレンドとなっているキーワードをチェックすることができるツールです。
キーワードの動向や地域別のインタレスト、関連トピック・関連キーワードまでを無料で調べることが可能です。
ラッコキーワード
ラッコキーワード(旧名:関連キーワードツール)は、無料の関連キーワード調査ツールです。
関連キーワードだけでなく、周辺語や類語、キーワードが含まれるニュース等のトピックもみることができます。キーワードを一括コピーしたり、CSVでダウンロードすることも可能で、初心者にも使いやすいツールとなっています。
Ubbersuggest
Ubbersuggestは、キーワードに関連する様々な情報を一括で調べることができるツール。検索数の細かな推移や上位表示の難易度、広告クリック単価などSEOに関する豊富な指標を一覧でみることが可能です。
有料(月額3,000円〜)にはなりますが、無料でも3回/日まで検索が可能(機能制限あり)、1週間の無料トライアルや、Google拡張機能も用意されています。
ahrefs
ahrefs(エイチレフス)は、企業向けの高度なSEO専門ツールです。SEO対策に必要な各種データをかなり細かいところまでみることができます。
月額9,900円〜と他ツールと比較しても少し高めにはなりますが、非常に高度な分析を行うことが可能なため、企業のSEO対策にはうってつけのツールとなっています。
ロングテールSEOの流れを理解したら、すぐに実践にうつそう
いかがだったでしょうか?サイトのSEO施策を進めていく上で、対策必須のロングテールキーワード。そのメリットや実践上の注意点についてお伝えしてきました。
対策の流れを理解していただけたようでしたら、ぜひすぐに実践にうつしてみてください。SEO対策は成果が出るまでに数ヶ月〜半年以上と、長い期間を必要とします。
やってみたが思うように上手く行かず悩んでいる、施策の細かい部分について相談したい、という方向けに、SEO無料相談も実施しております。ご関心のある方はぜひ下記よりお気軽にお問い合わせ、お申込みください。
\SEOメディアのお悩み解決します!/ |
- HPを作ったはいいが全然集客に繋がらない
- SEO記事を作成したがリード獲得に繋がらない
- そもそも何から始めたらいいかわからない
このようなお悩みがあればぜひandmediaへご相談ください。
どんなSEOのお悩みにもプロが丁寧にお答えさせていただきます。
問い合わせ後のしつこい営業は一切しませんので、ぜひお気軽にご連絡下さい。