どうも。現役エンジニア兼転職エージェントのYutoです。
最近は就職・転職サポートのついたプログラミングスクールが多く出てきており、これらのスクールを利用し、未経験からエンジニアを目指す人が急増しています。
でもそこで気になることは、「プログラミングスクールを卒業すると、本当に就職・転職できるのかな?」ということ。このような疑問を持ったことが一度はあるんじゃないでしょうか?
実は僕も、就職・転職サポート付きプログラミングスクールが出た時は、「本当に就職・転職できるのかな?」「仮にできたとしても、就職できる先はブラック企業ばかりなんじゃないの?」と思っていました。
そういう背景もあり、就職・転職支援付きプログラミングスクールの実態について、徹底的に調べてみました。
結論、プログラミングスクールを使うと就職・転職できますし、優良企業も存在します。ですので、エンジニア就職/転職したい方は、就職支援付きプログラミングスクールの利用を検討すべきです。
冒頭の通り僕はエンジニアとして働きながら、転職エージェントとしても仕事をしている関係で、多くのIT企業経営者や採用担当者とお話しする機会があります。
実際僕が取引をしている企業様でプログラミングスクールとも契約し、採用を行なっている企業がありますので、名前は公表できませんが、大まかな企業情報も出しながら、プログラミングスクールを卒業すると就職・転職できる理由をご紹介していきます。
Contents
就職・転職支援付きプログラミングスクールの仕組み
就職・転職支援付きプログラミングスクールの仕組みを図解しました。以下のようなイメージです。
就職・転職支援付きプログラミングスクールの仕組みを図解してみた↓
就職・転職支援付きプログラミングスクール利用の流れ
- プログラミングスクールが受講生にレッスンと就職サポートを提供。無料提供のところが多いです。基本的にはスクールが契約しているIT企業の中から、求人を紹介してくれます(一部、一般の転職エージェントの利用も可としている貴重なスクールあり)
- プログラミングスクールがIT企業に対して受講生を紹介。実際に面接に進みます。
- 面接実施し、無事採用が決定したら、IT企業からプログラミングスクールが紹介料が入ります。だいたい入社決定年収の30〜35%くらいが相場です。
- 入社。エンジニアとしてお金をもらいながら、実務経験を積んでいきます。
こんなイメージです。
プログラミングスクールがIT企業とあなたの間に入り、プログラミング学習〜転職サポートまで全てやってくれる、これが転職支援付きプログラミングスクールの仕組みです。
未経験でもプログラミングスクールを使えば就職・転職できるのか?
冒頭でも述べましたが、結論、未経験からでも就職・転職できます。なぜなら、IT業界全体がエンジニア不足だからです。
なんでエンジニア不足だと未経験から就職・転職できるのか?
一言で言えば、仕事の量に対して、人手が足りていないからです。
最近のIT業界の傾向ですが、「案件の量>エンジニアの数」という構造が絶賛進行中です。イメージとしては、「案件の量>>>>>エンジニアの数」というイメージです。
企業としては仕事の案件がたくさんあるにもかかわらず、エンジニアが足りていないために、仕事自体を断ったり、あるいは外注する必要が出ています。仕事を断れば売り上げは減りますし、外注コストも相応に高いですから、利益を圧迫してしまいます。
そんな状況ですから、多くのIT企業は、自社でエンジニアを確保し、内製化できるようにしたいと思っています。そのために僕は転職エージェントとしてお手伝いをしているのですが。
でも問題なのは、エンジニアの実務経験者の数が、それを求める企業の数と比較して圧倒的に少ないことです。ですから多くのIT企業は、エンジニア採用にかなり苦戦しています。
結果、「経験者採用」→「未経験者採用→教育する方針」に切り替えるIT企業が続出
その結果、取れない経験者を採用するのではなく、未経験者を採用し、自社で教育する方針に切り替える企業が今はとても増えています。
転職サイトに百万円単位で採用広告費をかけても採用できない、転職エージェント(人材紹介)を10社併用しても、一向にエンジニアの紹介が上がってこない。そんな状態のIT企業が急増しています。このままだと埒が明かないので、彼らは経験者ではなく「未経験者」に採用ターゲットを絞り、自社で教育する方針に切り替えてきているということです。
当然ながら転職マーケットには「エンジニア経験者<<エンジニア未経験者」という人の数の差があるので、未経験者を採用する方が難易度は低いです。ここで、就職・転職支援付きプログラミングスクールが活躍しています。
IT企業からすれば、プログラミング完全未経験の人を自社で採用してHTMLから教えるより、RubyやPHPの基本を知っていたり、Githubを使える人材の方が、教育コストはかからないわけです。
そういう意味で、就職・転職支援プログラミングスクールというのは「エンジニアの卵の養成スクール」と表現もできますね。
エンジニアの卵を採用したいIT企業と、未経験からエンジニアを目指したい人を繋げる、良い役目を果たしているなと感じます。
経営者や採用担当者に「スクール卒業生」を採用するメリット等を聞いてみた
僕が実際に採用をお手伝いしているIT企業の経営者や採用担当者に、スクール卒業生を採用するメリット・デメリットを聞いてみました。
名前は公表できませんが、以下のような企業です。
- 約150名の中堅IT企業。事業としては業務システム開発がメイン
- 約40名のITベンチャー。Webサービスを自社開発
事例①:中堅IT企業(規模:約150名)
40代の採用担当者(人事歴10年以上)にお話を伺いました。こちらの企業は、過去1年で以下のような採用実績でした。
- 過去1年間の当初の採用予定:エンジニア経験者10名
- 過去1年間の採用結果:エンジニア経験者採用2名。8名のロス発生。
- 投下した採用コスト:500万円(採用単価250万円/人)
採用単価が250万円…。これは業界の中を知っている立場からすると、かなり高めです。転職サイトの広告に出してうまくいかなかったらしく、コスパはかなり良くないですね。
ということで、「転職支援付きプログラミングスクールとかどうですか?」と伺ったところ、実はすでに昨年1年で、転職支援付きスクール経由で別途2名の採用をされていました!
メリットとしては、やはり採用単価が少なくなったこと、人手が増えたので仕事を請けることができるようになったことだそうです。
実際、こういう企業は知り合いの会社でもかなり増えているとのことで、未経験者でもプログラミングスクールを使えば、転職はかなり現実的な状況です。
事例②:ITベンチャー(規模:約40名)
こちらは30代の経営者に話を伺いました。結構人気の会社でして、比較的経験者エンジニアも取れている企業です。経営者の方に聞いてみたところ、メリット・デメリットは以下と仰っていました。
就職・転職支援付きスクールのメリット
- プログラミングの基礎的なことがわかっている人を採用できるので、うちみたいな規模の大きくない会社だと、教育の手間が省けて助かる
- 若い人はポテンシャルがあり、若い人に限定している転職支援つきスクールなら、ピンポイントでポテンシャル人材を採用できることがメリット
就職・転職支援付きスクールのデメリット
- 経験者採用は全く期待できないこと。ポテンシャル人材を採用するときに転職支援付きスクールは有力
こんな回答でした。
こちらの企業は、ポテンシャル人材を採用するときに利用したいと話していました。実際、Webベンチャー企業の中でも、転職支援付きスクール経由から、未経験者を採用する企業が増えているそうです。
またこれは僕の観測範囲だけでなく、同じような結論は他でも出ています。例えば「【人事担当者に聞いた】プログラミングスクールで就職・転職できるのか?【厳選スクール付き】」の記事でも、プログラミングスクールに対する人事部長や経営者の発言がまとめられていますが、ここまで書いてきたことと同じ内容となっています。
「プログラミングスクールを使うと就職・転職できるの?」
結論ですが、就職・転職できます。それぞれ回答は以下の通りです。
- 300名規模のIT企業の人事部長→できます。採用もしています。
- 100名規模のIT企業の人事部長→できますよ。うちも取っています。
- 100名規模のIT企業の人事担当者→できると思います。今は採用はしていませんが、今後は採用していきたい
- 30名規模のITベンチャー経営者(人事権あり)→今後取っていきたいとは思っていますが、うちは今のところ取っていません。
- 20名規模のITベンチャーの経営者(人事権あり)→最近採用しました。
基本的にはどこも就職/転職できるという回答です。ただ、実際に採用しているかというと、していない企業もありますね。
とはいえ、300名規模の企業でさえも、スクール出身者を採用しています。実際にこれだけスクール出身者を採用する企業が増えてきていることが、スクールを使うと就職・転職できることの裏付けになるかと思います。
このように、プログラミングスクール経由の方を採用している企業はやはり多いです。
改めて結論は、「転職できる」ということ
ここまでの流れを踏まえると、結論は上記の通り、転職はやはり現実的です。
プログラミングの素養を持ったポテンシャル人材を採用したい企業は山ほどいますので、未経験でもどんどんチャレンジすべきかなと思います。
「就職・転職支援付きのプログラミングスクールで就職できるところはブラック企業なんじゃない?」ということも、最近だと、サイバーエージェントやDMMなどの超優良企業であっても、転職支援付きプログラミングスクールは関係を持っていたりします。
全部の企業がホワイトかといえばそうではないと思いますが、それでも良い企業は実際たくさんありますよ。最終的に印象のよくない企業は選ばなければ良いだけの話ですし、最悪見抜けず選んでしまったとしても、IT業界は転職もしやすいので、スキルだけ盗んでサクッと別の場所に移るという方法もありかなと思います。
エンジニア就職・転職したい人向けのプログラミングスクール
ということで、就職、転職したいなら、転職支援付きのプログラミングスクールを使うことがおすすめです。
とはいえ、プログラミングスクールもたくさんありますし、どこを使えば良いかわからないと思います。
ですので参考までに、僕が実際に話を聞いていく中で、評判の良かったプログラミングスクールを挙げておきますね。
- テックキャンプ エンジニア転職:転職支援付きスクール最大手/30代の転職に強い
- DMM WEBCAMP COMMIT:同じく転職支援付き大手/20代の転職に強い
- TechAcademy:オンライン完結で転職
この3つは間違いないですね。
いずれも実績ある定番スクールで、迷ったらここで良いと思います。無料カウンセリングもやっているので、まずは両方話を聞いてみると良いと思います。
一応この3社が最もおすすめですが、人によってプログラミングスクールも合う、合わないがあります。ですのでその他の候補としては、就職・転職に強いプログラミングスクールの記事でまとめているので、こちらも参考にどうぞ。
まとめ
前述通り、最近はエンジニア不足が味方し、今なら学歴や経歴関係なしに、どんな人でもエンジニアを目指すことができます。
とはいえ、この状態がいつまで続くかは誰にもわからないことも事実。景気の風向きが変われば、企業は採用を自粛しますから、そうなったらもうエンジニアを目指すことはかなり難しくなるでしょう。
加えて、エンジニアは平均年齢も若いので、行動が遅れれば遅れるほど、結果的に自分の首を絞めることにもつながります。
エンジニアとして就職/転職し、実務経験を2年ほど積めば、フリーランスエンジニアとして独立も現実的です。フリーランスエンジニアになれば20代で年収1,000万円、リモートワークや週3勤務といった働き方や待遇も実現できます。
普通に会社員として10年、20年働いて得られるかどうかわからない待遇を、たった数年でも目指せるのが、エンジニアです。
人生に正解の道はありませんが、「あの時行動しておけばよかった」と、後悔だけはしないように、納得できる道を選択できると良いですね。
今回の記事が、あなたの決断の参考になれば幸いです。
- テックキャンプ エンジニア転職:転職支援付きスクール最大手/30代の転職に強い
- DMM WEBCAMP COMMIT:同じく転職支援付き大手/20代の転職に強い
- TechAcademy:オンライン完結で転職