- 「SIer」と「Web系」実際のところ、本当はどっちが良いんだろう?両方の違いや転職事情についても詳しく知りたい。
今回はこのような疑問に対して答えていきます。
「SIer」と「Web系」、今現在エンジニアとして、IT業界で働いている方ならまだしも、IT業界未経験だと、両者の違いなんて全くわからないですよね。
でも、この違いは絶対に知っておくべき点です。両者の違いを知った上で、どっちの業界を目指すか決めることが必要です。
結論から言うと、SIerとWeb系なら「Web系」がおすすめです。もしあなたがどちらにも入れそうで、両者で迷っているなら、「Web系」を選ぶことを僕はおすすめします。
僕の経歴
現在フリーランスのWebエンジニアとして働きながら、個人で複数の別事業をやっています。その一つに「転職エージェント」がありまして、ITやWeb業界の転職にもメインで携わっている立場です。
そんな背景を持つ僕が、「SIer」と「Web業界」の実態や転職事情について、徹底解説していきます。
- SIerからWeb転職を検討している現役エンジニアの方
- IT業界に入りたいと思っているけど、SierとWeb業界の違いがよくわからない方
上記に当てはまる方は、本記事を通じて疑問が解消できるかと思います。5分ほどで読めますので、SIerとWeb業界について知りたい方は続きをどうぞ。
Contents
SIerとWeb系とは?両者の違いを解説
まずはSIerとWeb業界について、簡単に概要を解説しますね。
SIer業界について
まずSIerとは、システムインテグレーター(System Integrator)の略です。エスアイアーと呼びます。
SIerの仕事内容を一言で言うと、外部から依頼されたシステムを開発する企業です。例えば金融関係の企業から、金融システムの開発を依頼され、それを納期までに仕上げる。これがSIerの仕事です。
とはいえ、このシステム開発というのは、仕事を請けた一社がやるのではなく、多くの協力会社が関わって進めていきます。
上記は僕が作成したIT業界の構造と年収です。上記のように、一次請け企業(元請け企業)が仕事を受注し、その仕事は二次請け企業、三次請け企業・・という風に、下に向かって仕事を発注していきます。ピラミッド型の構造になっており、このような構造を「多重下請け構造」と言います。
上記図には「年収」も書いていますが、基本的には元請けの方が年収が高く、二次請け、三次請けと下がるほど、年収は下がっていくことが一般的です。ですので、SIerで高年収を目指したいなら、上に上がっていくことが必要です。
SIer企業の代表的な会社
- 元請け:IBM、NEC、富士通、日立、NTTデータなど
- 二次請け:日立ソフト、NECソフトなど
- 三次請け以降:富士ソフトなど
SIerにどんな企業があるかというと、上記のような会社がSIer企業です。
これは勘違いされる点ですが、元請け企業には、基本的にプログラミングを書く人はいません。プログラミングは基本的に二次請け企業以降に任せているのが実態なんですね。
なので一般的にイメージする「コードを書くエンジニア」は、SIerでは二次請け以降に存在します。
SIer業界に似ている業界はこんなところがある
余談ですが、このピラミッド型の多重下請け構造は他の業界にもありまして、イメージしやすいところでいうと「建設業界」があります。
例えば東京の虎ノ門に大規模な商業施設を開発する際、元請け企業が多くの協力会社に仕事を依頼し、様々な企業が一つのプロジェクトを進めていくことが一般的です。一つの工事現場に、いろんな会社の人がいる状態ですね。
SIerのシステム開発においてもこれと同様で、一つのプロジェクトを複数の企業で進めていくことが一般的です。構造を理解する上で、余談として覚えておくと良いかと思います。
Web業界について
一方のWeb業界とは、一言で言えば、「自社でWebサービスを作り、そこで収益を挙げている企業」です。有名なWeb企業でいえば、以下のような企業はありますね。
Web企業の代表的な会社
- 世界:Google、Facebook、Twitterなど
- 日本:Yahoo、クックパッド、リクルートなど
Web系企業の「収益の上げ方」は様々です。広告モデルを利用しているGoogle、Facebookや、課金モデルを利用しているクックパッドなど、企業によってマネタイズ方法は違います。
ですが共通していることは、自社のWebサービスで何かしらの収益を上げている点でして、そこがシステム開発の対価で収益を上げているSIerとの大きな違いです。
また、Web企業の場合は、自社でエンジニアを抱えていることが特徴です。Webサービス自体が収益の柱なので、バグが起こったらすぐに対処をしたり、随時サービスを改善したりと、常に利用者にとって価値あるWebサービス作りを目指しています。
SIerからWeb企業への転職者は増えている
そんなSIerとWeb企業ですが、人気なのはやはり「Web企業」です。Web業界は華もありますし、働き方も自由な会社が多いです。
そのため、最近は未経験からWeb業界を目指す人はもちろん、SIerに在籍しているエンジニアにも、Web業界へ転職したい人は増えていることが実態です。
どんなエンジニアがSIerからWeb業界に転職を志向しているか?
具体的に言うと、例えばSIerで運用保守に携わっていて、なかなか開発に携わることができていないエンジニア等に、Web転職を検討している方は多いです。
前述通り、SIerの仕事は多重下請け構造になっています。そのため、担当する仕事内容が細分化され、自分がやりたい開発ができない事例も結構多くあるんですよね。
もちろん、SIerだとスキルが全く身につかないとか、そういうことはありません。SIerにも良い企業はたくさんありますし、技術を身につけているエンジニアも存在します。
ただし、割合として、Web系の方が開発に携われたり、仕事の範囲が広いというのは傾向として確かに存在します。ですから、いまの環境でやりたいことができないSIerのエンジニアに、Web系転職を考えている人が増えているということです。
現代風な職場環境や制度は「Web系」に多い
- おしゃれなオフィス
- リモートワーク
- 週3勤務
こういったいわゆる「現代風の働き方」がしたいなら、Web業界の方が普及しています。というのも、SIerはまだまだ古臭い企業が多く、おしゃれなオフィスやリモートワークといった新しい環境整備は整っていないところが多いからです。
「カッコイイオフィスで、コーヒー片手にMacbookで仕事をする」
そんな働き方をイメージしているなら、Web系を目指した方が実現はしやすいです。選択肢の数を考えると、SIerよりWeb系の方がそういった企業は多いからです。
【経験者向け】SIerからWeb転職するための現実的な方法
じゃあ実際にSIerからWeb系に転職するならどうすればいいかというと、結論、「転職エージェントを有効活用すること」が必要不可欠です。
転職エージェントを利用するメリットを一言で言うと、「面倒な手配を全て代行してくれ、かつ転職失敗確率を下げられること」です。
転職したことがないならイメージ湧かないかもしれませんが、転職活動はとにかくやるべきことがたくさんあります。求人チェック、職務経歴書や志望動機、スキルシートの作成、面接調整、年収交渉など、仕事をしながら全部一人でやるとなると、時間が合っても足りません。
そんな時、転職エージェントを利用すれば、面接調整や年収交渉など、大半のことを代わりに代行してくれます。このメリットがまず大きいですね。
その上、転職エージェントは企業の内情を知り尽くしています。つまり、求人情報だけではわからない「リアルな情報」も、転職エージェントを通すことで知ることができるんですよね。
せっかく頑張って転職活動をして転職が決まったのに、入ってみたらイメージと違ったなんて、後悔してもしきれないじゃないですか。だからこそ、転職エージェントを通じて「リアルな情報」を事前に仕入れ、その上で転職先を決めることが必要不可欠です。
Web系転職に強いおすすめの転職エージェント
ということで、SIerからWeb転職を目指す場合は、「Web系転職に強い転職エージェント」を利用しましょう。転職エージェントといえど、Web系に弱いエージェントを使ったら意味がありません。
参考までに、Web転職に強いプログラミングスクールは以下です。
- レバテックキャリア:Web転職なら絶対に外せないIT専門転職エージェント
- マイナビ IT AGENT(※マイナビのプロモーションを含みます):大手マイナビが運営する転職エージェント
この2社です。Web系転職したいなら「定番」と言える転職エージェントでして、まずはこの2社を検討してみて、良い求人がなければ、他を当たるという順序で良いと思います。
なお、転職エージェントの登録・利用は無料です。転職をまだ決めていない段階で、相談から利用もできます。大半の人はまだ転職を決めてない段階から利用し、そこで実際に自分が入れそうな求人を紹介してもらってから、「あれ、こんな良い企業に自分も転職できるのか・・!」と気づいて、転職活動を本格化するケースが最近多いです。
転職エージェントの利用は「良い転職をするため」に必要不可欠ですから、まずは登録だけ今日中に済ませておきましょう。登録は数分もあれば完了できます。
参考【IT転職】転職で本当に役立った転職サイトと転職エージェント【30社以上の中から厳選】
【未経験者向け】未経験からWeb業界に入るならこの方法
一方、Web系言語が未経験で、これからプログラミング学んでWeb転職したいなら、「プログラミングスクールを利用すること」が必要です。
最近はIT業界全体が売り手市場ということもあり、未経験からでもWebエンジニアやWebプログラマーになることができます。
ただし、前述した転職エージェントを利用しても、なかなか未経験だと転職できません。なぜなら転職エージェントの場合、現役のエンジニアも利用しているので、競争が激しいんですよね。
一方プログラミングスクール経由の転職の場合、経験者の利用がほとんどないので、ライバルはほぼ未経験者です。なので、プログラミングスクール経由で転職した方が、成功確率は何倍も上がります。
Web系転職に強いプログラミングスクール
ということで、未経験からWeb転職を目指す場合は、「Web系転職に強いプログラミングスクール」を利用しましょう。参考までに、Web転職に強いプログラミングスクールは以下です。
- ポテパンキャンプ:自社開発のWeb企業に就職することに特化した珍しいスクール。学習言語はRuby
- TechAcademyキャリア:IT業界、特にWeb業界転職に強いプログラミングスクール。学習言語はPHP
Web業界に転職するなら、この2社がおすすめですね。どちらもWeb系のプログラミング言語(RubyとPHP)が学べ、就職サポートまで万全の体制が整っています。
Web業界へ未経験から転職したいなら、まずはこの2社を優先的に検討してみましょう。ただ、プログラミングスクールは人によって合う、合わないもあるので、2-3社ほど無料相談や体験を利用してから、選ぶことがおすすめです。
もしこの2社が合わなければ、他の選択肢は言語ごとに以下でまとめているので検討してみてください。ちなみに僕は「Ruby」を最初に勉強しました。Rubyは初心者向け言語ですし、最近需要が増えている言語なのでおすすめです。
- Rubyを学びたい方向け⇨現役エンジニアが「Rubyが学べるプログラミングスクール5社」を厳選してみた
- PHPを学びたい方向け⇨Webエンジニアが本気でおすすめするPHPプログラミングスクール5選
結論:やっぱりWeb業界はおすすめ
述べてきた通り、個人的には、どちらも入れるなら「Web業界」をおすすめしています。開発もできますし、Web企業は仕事の幅も広いので、個人で稼ぐ力も身につきます。その上働き方も自由度が高いです。
とはいえ、全員が全員、Web業界に入れないことも事実です。そのためまずは、SIerで経験を積むことが必要なケースもあると思います。
何れにしてもWeb業界に入るなら、Web系のプログラミング言語はしっかり学んでおくべきです。Web系言語ができないなら、まずはプログラミングスクールで1ヶ月でも良いので短期集中で学ぶことが必要です。すでに言語がわかるなら、早速転職エージェントで相談をスタートしましょう。
Web転職に強いおすすめの転職エージェント
- レバテックキャリア:Web転職なら絶対に外せないIT専門転職エージェント
- マイナビ IT AGENT(※マイナビのプロモーションを含みます):大手マイナビが運営する転職エージェント
Web言語(Ruby/PHP)が学べるおすすめのプログラミングスクール
- ポテパンキャンプ:自社開発のWeb企業に就職することに特化した珍しいスクール。学習言語はRuby
- TechAcademyキャリア:IT業界、特にWeb業界転職に強いプログラミングスクール。学習言語はPHP
人気記事現役エンジニアがおすすめするプログラミングスクール4社【徹底比較】